2011年12月31日土曜日

2002年度 Vol.50-No.1

2002年度<VOL.50 NO.1> 特集:組織マネジメントの理論


12・3・6・9月(年4回)刊
編集 一橋大学イノベーション研究センター
発行 東洋経済新報社

2002年度<VOL.50 NO.1>
特集:組織マネジメントの理論日本の長期不況の背後には、競争力を失った企業の姿がある。規制業種に限らず、かつては世界的に注目された半導体や家電などどの製造業でも国際競争力の低下が著しい。その原因として、日本の企業に見られるマネジメントの問題の本質を理論的に明らかにし、企業復活のシナリオを提示する。
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三品和広
(北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科助教授)
企業戦略の不全症
  多くの日本企業が、長期にわたり収益力回復の糸口を見つけられずにいる。だが、日本企業の成長の限界は、バブル崩壊後に始まったわけでも、事業単位の戦略の拙さによるものでもない。むしろ、規模の拡大に伴って複雑性の増す経営環境に見合うべく組織マネジメントの構造を変えられずにきたことこそが、その問題の本質である。自動車、電機という主要業種の長期業績指標の分析を通じ、日本企業の「企業戦略の不全症」の実態を明らかにする。
延岡健太郎
(明治大学経営学部教授)
日本企業の戦略的意思決定能力と競争力 -- トップマネジメント改革の陥穽
  日本企業の不変の強みは、ものづくりや製品開発に代表される複雑な組織マネジメントの秀逸さである。だが、市場・環境の変化に伴い、日本企業の得意とする業務遂行能力だけでは国際競争に勝てない時代になった。環境の不確実性が高まるほど、戦略に関する組織能力、「戦略的意思決定能力」の高さが求められてくる。大手主要企業への調査結果をもとに、産業ごとの戦略能力の重要性を実証し、望ましいトップマネジメント改革の方向性について考える。
網倉久永
(上智大学経済学部経営学科教授)
組織の自律的ダイナミクス
  組織理論は、組織を目標達成の手段と捉える見方から始まったが、 1980年代以降、組織は内部に発展のダイナミクスを内包した自律的存在でもあると考えられてきた。日本企業はこの自律的ダイナミクスを活用して高成長を遂げたが、その逆機能として「はじめに組織(資源)ありき」という資源ロジックの自走を招き、戦略的意思決定の欠如とあいまって競争力を低下させている。本稿では、組織論の発展を振り返りつつ、日本企業では組織の自律的ダイナミクスが、なぜかつてのように機能しなくなったのかを考える。
古川久敬
(一橋大学イノベーション研究センター・藤原洋ベンチャーファイナンス寄附研究部門教授)
人的資源とビジネスモデルの相互充足性原理
  組織としての業績は、ビジネスモデルの卓越性だけではなく、それが適切に実行されるかどうかで決まる。そこでの主役は、個人・チームとしての人的資源であり、その行動は「モチベーション」「能力」「状況」要因によって規定される。効果的な組織マネジメントを考えるうえでは、この人的資源要因とビジネスモデルのあいだに相互充足性原理を設定する理論が普遍性を持つ。本稿ではこの理論を提唱するとともに、同理論をもとにした「成果主義」の検証を試みる。
西口敏宏
(一橋大学イノベーション研究センター教授)
辻田素子(静岡産業大学経営学部専任講師)
中小企業ネットワーク -- 英国「ケンブリッジ現象」を追う
  大学の街として知られてきた英国ケンブリッジは、 1980年代以降、知識集約型のハイテク企業が集積し、欧州版シリコンバレーと呼ばれるまでに変遷を遂げた。この「ケンブリッジ現象」は、大学の幾つかの機関を介した創業育成・企業誘致策が引き金となり、企業家、大学、銀行、ベンチャー・キャピタルなどを結ぶ多数のネットワークとのシナジー効果が好循環となって生まれたものである。組織間関係の観点からもユニークなこの協業形態の分析を通じて、日本の中小企業、地域経済活性化への示唆を得る。
大薗恵美
(一橋大学大学院国際企業戦略研究科専任講師)
戦略的組織か学習する組織か -- 戦略形成プロセスの分析
  企業や事業の戦略をその形成プロセスに絞って考えたとき、意図された戦略と創発的戦略の2つに分類できる。これらはそれぞれに異なった長所を持ち、環境変化や企業や事業の成長局面などによって適した状況も異なる。ただ、組織としての長期的な競争力を維持するためには、この2つのプロセスを使い分け、その経験を通じて学び、さらに次の戦略形成に結びつける学習力が求められる。トヨタ自動車のレクサス事業の事例をもとに、2つの戦略形成プロセス間の移行に成功するための要因を考える。
柴田昌治
((株)スコラ・コンサルト 代表)
宮入小夜子
((株)スコラ・コンサルト チーフプロセスデザイナー)
変革的組織マネジメントとしてのコアネットワーク -- 組織風土の問題と構造改革との関係
  多くの企業が構造改革の必要性を感じ最新の経営手法を取り入れているが、その成果が結実するケースはごく一握りの企業に限られる。改革の実現性には、組織風土が大きな影響力を持つからである。企業を変化に導けるような組織風土を醸成するため、何をなすべきなのか。何から手をつければよいのか。風土改革コンサルティングの実践経験を踏まえ、「会社を変える」組織変革マネジメントのために有効な「コアネットワーク」という考え方を紹介する。
●ビジネス・ケース
武石 彰・青島矢一
(一橋大学イノベーション研究センター助教授;一橋大学イノベーション研究センター助教授)
シマノ:部品統合による市場の創造
  フリーホイール、変速機、ブレーキなど一連の自転車部品の製造を事業の柱とするシマノは、不況にあえぐ自転車業界をよそに好業績を維持している。部品のシステム・コンポーネント化による機能、性能の向上を実現し、部品メーカー専業ながら世界に通用する一大ブランドを確立、「自転車業界のインテル」と呼ばれるまでになった。シマノの競争優位性の源であるイノベーションと市場創造の系譜をたどりながらその持続的な強さの秘密を考える。
石倉洋子
(一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)
ファーストリテイリング:「ユニクロ」成長神話の終焉と新市場への挑戦
  低価格カジュアル衣料の代名詞ともなった「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、 1984年広島での第1号店の開店以来、積極的な出店と、製造から販売までを垂直統合した SPA(製造小売業)の実践により右肩上がりの成長を続けてきた。だが、需要の飽和感と生産調整のもたつきなどで、 2002年8月期は株式上場後初の減収減益が見込まれる。海外店舗、生鮮食料販売などの新事業の成算も問われるなか、同社は再び成長軌道に回帰できるのだろうか。
●連載:経営学のイノベーション
 高橋 潔・金井壽宏 「元気の出る経営行動科学(3)モティベーション論のミッシング・リンク」
 加賀谷哲之・伊藤邦雄 「企業価値経営論(3)」
●連載:産業レポート
 井上弘基 「半導体」
●コラム連載:知のモノローグ
 野中郁次郎 「論理分析的思考だけでは「知」は創造されない」
●マネジメント・フォーラム
 御手洗冨士夫 (キヤノン(株)代表取締役社長:
       
インタビュアー・米倉誠一郎
 「キヤノン流経営の本質は終身雇用のもとでの実力主義」
●用語解説
 阿久津聡 「ブランド」


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