2017年12月27日水曜日

【お知らせ】米倉特任教授の『イノベーターたちの日本史』が『ベスト経済書』第5位に輝きました

米倉誠一郎特任教授の『イノベーターたちの日本史』が、
週刊ダイヤモンド(2017/12/30・2018/1/6新春合併号)の
経済学者・経営学者・エコノミストが選んだ
2017年『ベスト経済書』ランキングで第5位に輝きました。



著者コメントはこちらです。
http://hitotsubashiiir.blogspot.jp/2017/04/blog-post_28.html
この本の書評等はこちらです。
http://hitotsubashiiir.blogspot.jp/2017/06/blog-post.html

2017年12月19日火曜日

【お知らせ】西口敏宏先生の著書『コミュニティー・キャピタル論』が刊行されました

西口敏宏・辻田素子『コミュニティー・キャピタル論:近江商人、温州企業、トヨタ、長期繁栄の秘密』(光文社新書)が、12月14日に刊行されました。

コミュニティー・キャピタル論
2017年12月14日発売
定価(本体860円+税)
ISBN 978-4-334-04327-8
光文社新書
判型:新書判ソフト



目次
【第1章】 広がってつながる近江商人
【第2章】 生きる術としてのコミュニティー・キャピタル
【第3章】 温州人コミュニティーの伸展
【第4章】 異国で繁栄する企業家たち
【第5章】 進出先社会との共存共栄を求めて
【第6章】 企業間コミュニティーが成功するには?
【第7章】 危機マネジメント能力
【第8章】 繁栄のためのコミュニティーとは

光文社のサイトはこちらです。

2017年12月18日月曜日

研究者プロフィール Lee, Sang-Gun

Lee, Sang-Gun(リー サングン) 客員教授

一橋大学イノベーション研究センター 客員教授(2017.12.13-2018.3.31)
Professor, Sogang University Business School


【最近取り組んでいるテーマ】
・A Comparative Study on Industrial Linkage Effect Between Japan and Korea

2017年12月13日水曜日

【一橋ビジネスレビュー】 2017年度 Vol.65-No.3

2017年度<VOL.65 NO.3> 特集:コーポレートガバナンス―「形式」から「実質」へ変われるか






12・3・6・9月(年4回)刊編集
一橋大学イノベーション研究センター
発行 東洋経済新報社





特集:伊藤レポート、スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードを契機に、日本企業のコーポレートガバナンス改革が進められている。とはいえ、ややもすると形式的な対応にとどまり、資本生産性を実質的に上げ、企業価値創造を持続的に高める取り組みに結びついていないケースも散見される。本特集では、コーポレートガバナンス改革で何が変わり、何が課題として残っているのかをさまざまな観点から検証し、今後の日本企業のグローバル競争力の向上に結びつけるためのカギを探る。

特集論文Ⅰ コーポレートガバナンス改革のPDCA――何を企図し、何が変わり、今後の課題は何なのか
伊藤 邦雄
(一橋大学大学院商学研究科特任教授・一橋大学CFO教育センター長)
コーポレートガバナンス改革が進んでいる。2つのコードと「伊藤レポート」によって、改革の「枠組み」はほぼ整った。ねらいはインベストメント・チェーンを構成する3種の主要プレーヤーが「変わる」という同時全体最適的改革にある。企業改革と同様、いかなる改革もPDCAを貫徹しなければ、その成果を得ることはできない。確かにROEに対する認知度も上がり、ROEの平均水準も8%を上回った。しかし、今後もさらに資本生産性の向上に努めるべきだ。企業と投資家との対話も頻度は高まったものの、その質は改善の余地が大きい。最近では、長期投資家によるESG投資も活発化しているが、課題も多い。一方、またぞろ大企業で不祥事が発生し、「守りのガバナンス」も心配だ。この問題に社外取締役は何をすべきか。本論文では、伊藤レポート後のストーリーも描きながら、今後のガバナンス改革の姿を示す。

特集論文Ⅱ ガバナンスの実質化をめぐる諸論点
武井 一浩
 (弁護士/西村あさひ法律事務所 パートナー)
2015年の日本版コーポレートガバナンス・コードの策定に端を発し、日本の上場企業のガバナンス改革が進展しつつある。現時点で関心が寄せられているのはガバナンスの実質化であり、特に、当初の目的であった日本企業の稼ぐ力、すなわち中長期的な収益性・生産性を高めるための改革が求められている。本論文は、これまでの動きと今後の主なイシューについて、概観的に紹介する。

特集論文Ⅲ 日本のコーポレートガバナンス改革の進捗と今後の課題
スコット・キャロン/吉田 憲一郎
(いちごアセットマネジメント代表取締役社長/
 いちごアセットマネジメント副社長)
日本のコーポレートガバナンス改革は着実に進行しているが、残る最大の課題は、株主民主主義を棄損するおそれのある「利害関係株主」、いわゆる「安定株主」構造の解消であろう。行使率を考慮すると、議決権ベースでの利害関係株主の比率は機関投資家を上回り50%程度と推定される。利害関係株主が多数を占める日本の株主総会では、一般株主の共同利益が必ずしも守られているとはいえない。本論文では、利害関係株主構造を解消するための具体的な施策を提案し、企業と投資家とのエンゲージメント(建設的な対話)による企業理念と経営方針の共有が、中長期視点の投資家による真の安定的な株主作りに寄与することを示す。

特集論文Ⅳ M&A戦略における規律――自律的なコーポレートガバナンスのための基本
朱 殷卿
(株式会社コアバリューマネジメント代表取締役社長)
コーポレートガバナンスの体制が一定程度整備された現在、日本企業の次なる課題は、整備された体制の下で経営規律を高め、企業価値の向上を図ることである。国内外で事業の再編に直面する多くの企業にとって、M&A戦略の重要性はいっそう高まり、その巧拙が競争上の地位と業績に大きな影響を与えている。本論文では、M&A戦略を企業価値創造につなげるために重要な課題とそのために必要とされる経営規律、経営者と取締役会がM&A戦略において果たすべき役割を概観する。

特集論文Ⅴ 日本におけるガバナンス改革の「実質的」影響をめぐる実証分析
伊藤 邦雄/加賀谷 哲之/鈴木 智大/河内山 拓磨
(一橋大学大学院商学研究科特任教授/一橋大学大学院商学研究科准教授/亜細亜大学経営学部経営学科准教授/一橋大学大学院商学研究科講師)
本論文のねらいは、日本で近年進展しつつあるコーポレートガバナンス改革が企業価値に与える「実質的」影響を検証することにある。このため、伊藤レポートが公表された2014年8月前後における「稼ぐ力」の変化、企業の財務政策や政策保有株式、取締役構造の変化が企業業績や価値に与える影響を分析した。本論文では検証の結果として、日本企業のROEは改善しているものの、コスト削減に牽引されており、全体として持続的な企業価値創造に結びつくかはなお予断を許さない点、より効果的に業績を改善している企業は、余剰現金や株主還元政策を見直すなど、コーポレートガバナンス改革に対して「形式的」な対応を超えて実質的にバランスシートを意識した経営改革に着手している点などを指摘する。

特集論文Ⅵ 日本型コーポレートガバナンス構造の再検討――市場競争の規律づけメカニズムの検証
花崎 正晴
(一橋大学大学院商学研究科教授)
日本の伝統的なコーポレートガバナンスの面で重要な役割を果たしてきたと見なされているのは、企業系列やメインバンク関係である。一方で本論文では、製品市場の競争条件が企業経営に対する規律づけの機能を発揮してきたのではないかという代替仮説を提示し、長期の企業データを用いて実証分析した。その結果、株主による規律づけの効果については、ロバストな結果が得られず、またメインバンクのモニタリング効果についても、肯定的な結果は導出されていない。逆に、企業経営に対して有効な規律づけを与えていると見られるのは、製造業部門における市場競争の要因であった。この事実は、日本の長期的な経済発展過程において、アングロサクソン型モデルや通説としての日本型モデルでは十分に説明されていないコーポレートガバナンスのメカニズムが、主に製造業部門に対して機能していた可能性を示唆するものである。

[特別寄稿] インダストリー4.0の崩壊とその先にあるもの
光山 博敏/中沢 孝夫
(信州大学全学教育機構特任准教授/福山大学経済学部教授)
ドイツで提唱された「インダストリー4.0」とは、製造業のデジタル化であり、標準化・共通化することで異なった企業・工場、機器をつなぎ、国全体を1つのスマート工場にする、という構想である。これは日本政府の産業政策にも大きな影響を与えている。しかし、その実態はどうなっているのだろうか。著者(光山)は、ドイツを代表する大企業からミッテルシュタント(中小企業)までの現場に赴き、広範な聞き取り調査を行ってきた。その結果、インダストリー4.0の進捗状況は、ほとんど空想の段階にとどまっており、実態は空中分解し始めている、という事実であった。本来なら、他企業との差異が競争力の源泉であるにもかかわらず、それを放棄させるという政策に乗ってくるプレーヤーは、ほとんどいないのである。本論文では、ドイツの製造業の実態について、各企業やミッテルシュタントの仕組みに触れながら紹介していく。ものづくりで大切なのは、事実と現場であるが、そうした視点なしに行われている日本での議論に警鐘を鳴らすとともに、日本の製造業の持つ強みについても考える。

[技術経営のリーダーたち]
[第31回]新入社員のアイディアと情熱、行動力が突き動かした大企業発のイノベーション
對馬 哲平
 (ソニー株式会社 新規事業創出部 wena事業室統括課長)

[連載]日本発の国際標準化 戦いの現場から
[第1回]大成プラス「ナノモールディング技術」
江藤 学/鷲田 祐一
(一橋大学イノベーション研究センター教授/一橋大学大学院商学研究科教授)

[連載]フィンテック革命とイノベーション
[第2回]進化する電子決済技術
野間 幹晴/藤田 勉
(一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授/一橋大学大学院国際企業戦略研究科特任教授)

[連載]ビジネスモデルを創造する発想法
[第6回]大きな「飛躍」をもたらす着実なサイクル
井上 達彦(早稲田大学商学学術院教授)

[連載]クリエイティビティの経営学
[第5回]クリエイティビティを育む職場風土は人によって異なるのか?――日本のビジネスパーソン3000人の調査より
稲水 伸行(東京大学大学院経済学研究科准教授)

[ビジネス・ケース]
味の素――コーポレート・アントレプレナーシップの実現
孫 康勇/内田 大輔/高橋 裕典 
(一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授/九州大学大学院経済学研究院講師/一橋大学大学院国際企業戦略研究科修士課程修了)
企業に新たな活力を与えるコーポレート・アントレプレナーシップへの関心がますます高まっている。しかしながら、そのプロセスにおいて、マネジャーがどのような課題に直面し、どのようにしてその課題を解決しているのかはあまり知られていない。本ケースでは、味の素社においてマネジャーが、アミノ酸の製造過程の副産物である発酵副生バイオマスを活用した新たなビジネスを創り出していくプロセスを通じて、コーポレート・アントレプレナーシップを考える。

流山市――人が出て行く街から入ってきて住み続ける街へ
木村 篤/酒巻 徹/治部れんげ 
(一橋大学大学院商学研究科経営学修士コース/一橋大学大学院商学研究科経営学修士コース/一橋大学大学院商学研究科経営学修士コース)
千葉県北西部に位置する中都市である流山市。高齢化と人口減少で財政悪化を迎えつつあったが、2005年のつくばエクスプレス開業を契機に、市長のリーダーシップの下、市役所の業務改革と組織改革に着手する。その中心の施策が、共働き子育て層の流山市への誘致である。そのためにマーケティング課が設立され、外部人材を登用し、市の強みや魅力を発信し始める。市民との対話も増やし、市民同士を結びつける施策も展開し、市民の意識
も変わり始めている。現在、流山市は「子育てがしやすい街」として、人口も出生率も増え続けている。人口減少社会のなか、このように成果を上げていった例はまれである。本ケースでは、10年超に及ぶ改革の軌跡をたどることで、選択と集中によるマネジメント手法が、非営利団体にも適用可能であることを示す。

[マネジメント・フォーラム]
インタビュアー/伊藤 邦雄
ガバナンスの仕組みを柔軟に進化させながら、花王らしさを追求する
澤田 道隆 (花王株式会社 代表取締役 社長執行役員)

[私のこの一冊]
■日本企業の真の姿と正しい処方箋――平野正雄『経営の針路』
 山崎 繭加 
(元ハーバード・ビジネススクール日本リサーチ・センター アシスタント・ディレクター)

■研究するとは?」を考える素材――山下和美『天才柳沢教授の生活』
 生稲 史彦(筑波大学システム情報系准教授)

[投稿論文]
アーキテクチャ進化における製品開発マネジメント――半導体露光機産業の事例から
榎波 龍雄/田路 則子
(法政大学大学院経営学研究科修士課程修了/法政大学経営学部教授)
半導体チップを製造する半導体露光機は、大規模で複雑なアーキテクチャを持ち、さまざまな要素技術を必要とする産業財である。元来、露光機は自動車に代表されるような究極の擦り合わせ型製品であり、日本企業のニコンが1980年代から90年代半ばまで、圧倒的な技術革新能力を示し、市場をリードしていた。しかし2000年前後に、後から参入してきたオランダのASMLがニコンを逆転し、2010年には市場の70%以上を獲得するに至った。アーキテクチュラル・イノベーションに際して、ASMLはニコンに比べて新たなアーキテクチャにスムーズに移行できた。それは、内部組織と外部連携のマネジメントに長けていたからである。具体的には、コンソーシアムの活用、サプライヤーとの共同開発、顧客サポートを通してアーキテクチュラル知識を早期に構築したことが優位性を生んだ。

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2017年12月11日月曜日

【イノベーションフォーラム】2018.1.24 Cornelia Lawson

イノベーションフォーラムのお知らせ 2018年1月24日

論題:
"Citizens of Somewhere: Examining the Geography of Foreign and Native-born Academics’ Engagement with External Actors"

講演者 :
 Cornelia Lawson
(Prize Fellow, University of Bath)

言語:英語

日時:
2018年1月24日(水) 14:00~15:30

開催場所:
一橋大学イノベーション研究センター2階・第2 IIRラボ
 (Room #219)

幹事:
延岡 健太郎(イノベーション研究センター)

2017年12月4日月曜日

【お知らせ】2017年「日本ベンチャー学会清成忠男賞・書籍部門」を受賞

西口敏宏 特任教授(一橋大学名誉教授)が、2017年「日本ベンチャー学会清成忠男賞・書籍部門」を受賞しました。
『コミュニティー・キャピタルー中国・温州企業家ネットワークの繁栄と限界』
西口敏宏・辻田素子著(有斐閣/2016年6月刊行)が、
2017年「日本ベンチャー学会清成忠男賞・書籍部門」を受賞しました。
2017年2月の商工総合研究所「中小企業研究奨励賞・経済部門・本賞」に引き続きの受賞となります。

詳細は以下のHPでご覧いただくことが出来ます。

日本ベンチャー学会
http://www.venture-ac.ne.jp/index.html
http://www.venture-ac.ne.jp/award/award_k/index.html
有斐閣
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641164826

■著者コメント
貧しく,学歴がなく,語学が堪能でなく,外国人であるなど、決して恵まれない1人1人でありながら,中国・温州人が繁栄を築くことができたのはなぜか?
 最新の社会ネットワーク理論と12年に及ぶ綿密なフィールド調査・実証研究によって,新たな概念を導出し,国際的に活躍する温州人の社会的つながり構造とその力学を解明する。チャンスに満ちた希望の社会に向け,八方塞がりとしか思えない周囲の世界を切り拓く可能性を示す注目の力作。
 本書は,ネットワーク,社会関係資本,中国経済,移民,中小企業,起業などに関心をもつ研究者,実務家,政策決定者だけでなく,貧困から抜け出したい,新しい人生を歩み始めたい,環境改善のために行動したいといった,変化を求める多くの意欲ある人々に,重要なヒントを与えるであろう。なぜなら,優れたパフォーマンスを継続的に示すコミュニティーの構造特性とそのポテンシャルをフルに活かすタイプの信頼関係をよりよく理解し,それらを実践に移すことによって,必ずや状況改善の糸口がつかめるはずだからである。


2017年11月27日月曜日

【お知らせ】2018年度イノベーションマネジメント・政策プログラム(IMPP)の募集要項

2018年度イノベーションマネジメント・政策プログラム(IMPP)の募集要項を掲載しました。

募集要項は下のリンクよりダウンロードできます。

    ◆一般向け公募

    ◆学内向け募集

詳細は、IMPPのサイトをご覧ください。
   http://impp.iir.hit-u.ac.jp/
   http://impp.iir.hit-u.ac.jp/requirements/

2017年11月15日水曜日

【お知らせ】第12回一橋ビジネスレビュー・フォーラム

第12回  一橋ビジネスレビュー・フォーラム
「これからの日本の戦い方を問う!~組織はいかに変われるか~」のご案内

日時:2018年1月29日(月) 13:00~17:40(受付開始12:20~)

会場:イイノホール&カンファレンスセンター 
東京都千代田区内幸町2-1-1飯野ビルディング4F 
    ※東京メトロ 日比谷線・千代田線 「霞ケ関駅」 C4出口直結
    ※東京メトロ 丸ノ内線 「霞ケ関駅」 B2出口 徒歩5分

※本フォーラムは有料での開催となります。申込方法等は以下のHPをご参照ください。

開催趣旨:
一橋大学イノベーション研究センターは、1997年に日本におけるイノベーション研究のいっそうの振興を図るために設置された専門研究所で、『一橋ビジネスレビュー』はその機関誌であり、日本における数少ない経営学専門誌として大学研究者から一般ビジネスマンにまで広く購読されています。(出版元:東洋経済新報社)本誌では毎年1回重要なトピックを取り上げ、有識者による講演とパネルディスカッションによるフォーラムを開催しております。

毎回ご好評を賜り、おかげさまで12回目を迎えることとなった今回のフォーラムでは、不確実性が高く、技術革新・デジタルの力によって大きく変化するビジネス環境において、今後日本が世界的にも高い競争力を保ち世界をリードしていくために、企業はどのような意識を持ち組織をどう変革をすべきなのか、著名な経営者の方々と有識者・教授陣との白熱討論にて、日本企業の今後の展望を熱く検証致します。


13:00~13:05 主催挨拶(5分間) 

13:05~14:25 特別セッションⅠ(80分間) 
これからの日本の戦い方を問う!~組織は如何に変われるか~
 大西 賢 氏 (日本航空株式会社 取締役会長)
 冨山 和彦 氏 (株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO)
 野中 郁次郎 氏 (一橋大学名誉教授 日本学士院会員)

 モデレーター:米倉 誠一郎 氏
  (『一橋ビジネスレビュー』編集委員長/一橋大学イノベーション研究センター
         特任教授/法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授)

14:25~14:40 対談セッション(15分間)
※本セッションでは、
 一橋大学名誉教授 野中 郁次郎 VS 一橋大学イノベーション研究センター 特任
   教授米倉 誠一郎による「Special LIVE 対談!」を予定しております。 

 野中 郁次郎 氏 (一橋大学名誉教授 日本学士院会員)
 米倉 誠一郎 氏 (『一橋ビジネスレビュー』編集委員長/一橋大学イノベーショ
   ン研究センター特任教授/法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科
   教授)

14:40~15:00 コーヒー・ブレイク(20分間) 

15:00~16:10 特別講演(70分間)
 LIXILの大変革!~変わる経営と組織~(仮)
 瀬戸 欣哉 氏
 (株式会社 LIXILグループ  取締役 代表執行役社長 兼 CEO)

 ※本セッションの後半は、
 一橋大学イノベーション研究センター 特任教授 米倉 誠一郎 との「Special LIVE 
   対談!」を予定しております。

16:10~16:20 ブレイク(10分間) 

16:20~17:40 特別セッションⅡ(80分間) 
 IoT/ビジネスと組織の変革~ IoT・デジタルで変わる未来~
 馬場 渉 氏 
 (パナソニック株式会社 ビジネスイノベーション本部 副本部長
  コーポレートイノベーション担当 パナソニック ノースアメリカ株式会社 
      副社長 ビジネスイノベーション担当)
  
 小塚 裕史 氏 
 (株式会社ベイカレント・コンサルティング 取締役)

 モデレーター:米倉 誠一郎  氏



2017年11月7日火曜日

軽部教授の『関与と越境――日本企業再生の論理』の書評が『書斎の窓』に掲載されました

お知らせ:軽部教授の『関与と越境――日本企業再生の論理』の書評が『書斎の窓』に掲載されました。
評者は法政大学の近能善範先生です。
以下のHPからご覧いただくことができます。

【イノベーションフォーラム】2017.12.27 清水たくみ

イノベーションフォーラムのお知らせ 2017年12月27日
論題:
"Coordinating collective framing processes with heterogeneous
 actors in technology standard development: A Topic Modeling Approach"

講演者 :
 清水たくみ
(Ph.D Candidate, Desautels Faculty of Management, McGill University)

言語:英語

日時:
2017年12月27日(水) 12:40~14:10

開催場所:
一橋大学イノベーション研究センター2階・第2 IIRラボ

幹事:
清水 洋(イノベーション研究センター)

2017年11月1日水曜日

【受賞】青島矢一教授が研究・イノベーション学会より学会賞を受賞

10月28日から29日まで、京都大学にて「研究イノベーション学会 第32回年次学術大会」が開催され、青島矢一教授が「学会賞」を受賞しました。NEDOからご提供いただいたデータを分析し、研究と政策双方に貢献したその研究上の功績を讃えられ、共同研究者の松嶋一成准教授(徳島大学)、NEDOと共に学会賞を受賞しました。昨年度の江藤学教授に続く、2年連続の受賞となりました。

研究・イノベーション学会のHPはこちらです。
http://jsrpim.jp/wp/?page_id=648

NEDOでは以下の通り紹介されています。
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100867.html

2017年10月27日金曜日

『イノベーション・マネジメント入門』の第二版が刊行されました。


『イノベーション・マネジメント入門』の第二版が刊行されました。2001年に出版した第一版の全面的な改訂版で、かなりの部分が書き下ろしとなっており、新たな書籍といっても過言ではありません。

今回、全面的な改訂に至ったのは、2001年から現在までに起きたさまざまな環境の変化や学問の発展を反映して、より現実に即した役立つテキストブックが求められるようになったからです。本書では、以下の点を大幅に強化し、前書と比較して強みとなっています。

第一には、イノベーション研究やイノベーション・マネジメントの全体像が、より体系的に理解できるように工夫しました。

第二に、前書が出版された2001年から現在までにわれわれが経験した、イノベーションを取り巻く重要な環境変化を新たに取り込んで再構成しました。

本書が対象としている読者層は幅広く、経営や経済を勉強している学生、企業でイノベーション・マネジメントを担当する実務家、官庁など公的機関の政策立案担当者等にとって、直接的に役立つでしょう。また、社会にとってイノベーションの重要性が高まるなか、イノベーション・マネジメントに直接関与しない人にとっても、その基本を理解することの必要性は増しており、その点でも本書は最適なテキストになっています。

[目 次]
第1章:イノベーション・マネジメントとは

[第Ⅰ部] イノベーションの全体像
第2章:イノベーションの歴史
第3章:イノベーションと企業の栄枯盛衰
第4章:産業とイノベーション
第5章:イノベーションの測定

[第Ⅱ部] イノベーション創出プロセス
第6章:イノベーションとアントレプレナーシップ
第7章:イノベーションを実現する資源動員と知識創造
第8章:新製品開発のマネジメント
第9章:イノベーションと企業戦略
第10章:イノベーションと企業間システム

[第Ⅲ部] イノベーションと経済政策
第11章:イノベーションと政策・制度
第12章:科学技術イノベーション政策
第13章:イノベーション創出のための知的財産権制度
第14章:イノベーション創出のための知的財産権マネジメント
第15章:イノベーションと規制・制度
第16章:イノベーションと経済成長

以下は日本経済新聞社のHPに掲載されている紹介文です。

【おすすめポイント】
イノベーションは経済の成長に欠かせないものですが、それをいかに育て、実用化するかはマネジメントの中でも最も難易度が高いテーマです。本書は、イノベーションを正面から解説した、網羅的なテキストとして高く評価され、累計1万8500部に達したロングセラーテキスト『イノベーション・マネジメント入門』(2001年刊)の全面改訂版です。
 前著刊行以後、IT化、グローバル化のインパクトは大きく、開発、生産、流通などの前提となる常識の変化は無視できません。本書はこれらの環境変化を踏まえ、読者・教員から寄せられてきた要望に応え、イノベーションの計測、特許制度・知財との関係、経済成長に与えるインパクトなどを章として取り上げます。

http://www.nikkeibook.com/book_detail/13474/

2017年10月10日火曜日

2016年度版 アニュアルレポートを発行いたしました

2016年度版 アニュアルレポートを発行いたしました
センターの概要、一年間の研究教育活動、研究業績等をとりまとめましたので、是非ご覧ください。
PDFはこちらのページよりダウンロードできます。


目次

はじめに
イノベーション研究センターについて
1. 研究活動
 1) イノベーション研究フォーラム
 2) 共同研究プロジェクト
 3) 国際シンポジウム等

2. 研究員
 1) 専任研究員
 2) 兼任研究員
 3) 外国人研究員(客員)

3. 教育活動
 1) 講義
 2) イノベーションマネジメント・政策プログラム

4. 研究成果および刊行物
 1) 一橋ビジネスレビュー
 2) ワーキングペーパー

編集・発行 一橋大学イノベーション研究センター

2017年10月4日水曜日

【イノベーションフォーラム】2017.10.25 Evan W. Lauteria

イノベーションフォーラムのお知らせ 2017年10月25日

論題:
"The Cultural Foundations of Institutional Divergence: A Study of Nintendo and SEGA’s ‘Console Wars'"

講演者 :
Evan W. Lauteria
(PhD Student, University of California Davis)

言語:英語

日時:
2017年10月25日(水) 12:40~14:10

開催場所:
一橋大学イノベーション研究センター2階・センター長室 

幹事:
清水 洋(イノベーション研究センター)

2017年9月14日木曜日

【一橋ビジネスレビュー】 2017年度 Vol.65-No.2

2017年度<VOL.65 NO.2> 特集:健康・医療戦略のパラダイムシフト












12・3・6・9月(年4回)刊編集
一橋大学イノベーション研究センター
発行 東洋経済新報社





特集:
高齢化率の上昇と人口減少が進むわが国が直面する課題は多い。複雑な課題が山積する健康・医療(ヘルスケア)領域では、多くの調査研究や実践が行われている。そ
れらの貴重なデータや経験の蓄積が必要なことは言うまでもない。ただし、その一方で、これまでの取り組みの限界を乗り越えることも必要だろう。
たとえば、2014年に国が策定した「健康・医療戦略」は、わが国を「課題解決先進国」として位置づけるという新たな発想を提示した。同戦略では、世界最先端の医療技術・サービスを実現して「健康寿命」をさらに延ばし、健康長寿社会の形成に資する新たな産業活動を支援し、安心と安全を前提とした医療福祉先進国をめざす、といった将来ビジョンが示されている。
そうしたビジョンを絵に描いた餅に終わらせないためにも、同戦略の多角的な吟味が必要だろう。本特集では、同戦略のねらいや沿革、今後の方向性などを整理し、主要な論点を検討する。あわせて、わが国の医療機関の経営戦略や医療管理学の現状を海外と比較しながら紹介する。

特集論文Ⅰ 健康・医療戦略で変わる日本
池田 陽平
(内閣官房 健康・医療戦略室 参事官補佐)
健康・医療戦略は、「健康・医療戦略室」の内閣官房への設置(2013年2月)、「健康・医療戦略推進法」制定(2014年5月)を経て、2014年7月に閣議決定された。安倍政権の成長戦略の柱の1つであるこの戦略の策定の経緯、内容、推進体制、成果と課題は何か、どのような対策を講じようとしているか。そして、国際化やデジタル化も含めて、この戦略でどんな産業が生まれ、日本がどう変わるのか。健康・医療戦略室で政策立案に携わっている著者が、発展著しい健康・医療分野の全体像と最前線を描き出す。

特集論文Ⅱ 病院経営――その実態と処方箋
北沢 真紀夫
 (ボストン コンサルティング グループ パートナー・アンド・マネージングディレクター)
現在、日本国内の医療機関の経営状態が悪化しており、その7割超が赤字であるという。その最大の構造的な要因は、固定費が高い収益構造にある。今後は少子高齢化がますます進展し、「病院」の経営条件はいっそう厳しくなる。「病院」では急性期疾患中心の治療がされており、高齢化により、急性期治療を受ける患者数が徐々に減少することが背景だ。ここから脱却するための経営改革を実行していかなければならないが、現場では改革に対する反対も予想される。では、具体的に何をすべきなのか。本論文では、医療機関への豊富なコンサルティング経験を持つ著者による、実行しやすい利益改善策から抜本的な経営改善のために必要な構造的施策までを、具体的に紹介する。

特集論文Ⅲ 医療保険者の機能強化と医療提供者とのコラボレーションの構築
森山 美知子
(広島大学大学院医歯薬保健学研究科教授)
国民に提供する医療の質を向上させながら、増大する医療費をどのようにしてコントロールするのかは、各国の喫緊の課題となっている。医療費の増大は、医療の高度化・薬剤費の高額化のみならず、医療提供体制の非効率によるものも大きい。医療費を分析してみると、後期高齢者医療制度においても、複数の慢性疾患を有し、長期入院、入退院を繰り返すなどの特定の高齢者群が大半の医療費を使用していることがわかる。この問題への対策の1つが医療保険者側からの疾病管理であり、プライマリケア・システムの構築である。本論文では、こうした問題に研究者・ベンチャー企業家として取り組んでいる著者が、1990年代初頭にアメリカで始まった疾病管理の動き、プライマリケア、そして、通称オバマケア体制下での責任経営的ケア組織であるACO誕生の流れについて概説し、わが国に必要とされる改革への提案を行う。

特集論文Ⅳ 地域を巻き込む食育とヘルスプロモーション
等々力 英美
(琉球大学地域連携推進機構客員准教授)
長寿県として知られる沖縄県ではあるが、それは伝統的日常食を摂取してきた戦前生まれの高齢者世代のおかげであり、アメリカ統治後、急激に食生活が変化してしまった戦後世代では全国平均を上回る死亡率 を示し、もはや長寿県とはいえなくなってしまった。この沖縄の状況は、日本人の将来を先取りする形で進行しているのではないか。このような問題意識の下、著者は伝統的な食事パターンと沖縄野菜のポテンシャルに着目し、食育への介入研究や地域住民と連携したマーケティングアプローチによる食育ヘルスプロモーションの研究と実践にかかわってきた。若い世代に働きかけて、どのようにして、人々の 絆 と 健康 の礎を 築くのか。多くの事例と調査結果を紹介しながら考える。

特集論文Ⅴ 健康・医療戦略に先行するイノベーティブな企業のビジネスモデル
林 大樹(一橋大学大学院社会学研究科教授)
警備業界のトップ企業であるセコム株式会社は、政府の健康・医療戦略が掲げる「ICTの利活用」「1人1人に合った、多様なヘルスケアサービスの提供」「医療の国際展開」といったビジョンに関連した事業を他社に先駆けて推進している。それに加え、同社は超高齢社会に対応する事業開発をめざして、地域限定で高齢者の生活上のニーズを探った。テストマーケティングの結果は意外なものであった。しかし、それは地域限定の多業種連携体制を構築し、顧客の問題解決に徹底して寄り添う事業のビジネスモデルの開発につながった。地域包括ケアシステムの構築に取り組む自治体、住民ボランティア、NPOにとっても参考になる事例だと思われる。

特集論文Ⅵ 日本における医療管理学の展開――医療管理学の変遷と教育プログラムの特徴・課題
阪口 博政
(国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科講師)
近年、医療サービス提供の環境には大きな変化が生じている。医療サービス提供そのものの変化や、医療費高騰といった環境の下で、医療機関のマネジメントにも「改革」が求められている。本論文では、医療機関の組織・経営に関する学問領域である「医療管理学」が、日本において歴史的にどのように展開してきたのかを、戦後の医療制度・政策の転換点に対応させ4期に区分して明らかにする。また、現在の日本の医療管理学の教育プログラムを概観し、当該プログラムの実務における位置づけや提供対象の観点から、教育プログラムがどのような特徴や課題を持っているのかを考察する。

[特別寄稿] アメリカ海兵隊の知的機動力――組織的知識創造論から二項動態論へ
野中 郁次郎/梅本 勝博
(一橋大学名誉教授/北陸先端科学技術大学院大学名誉教授)
現在私たちは、動きが激しく不安定で、不確実性が高くて先を読みにくい、複雑で曖昧という世界で生きている。企業がこのなかで生き残るためには、ビジネス環境の変化に機敏に対応しながら、自己に有利なように能動的に周りのビジネス環境を変えていく、俊敏な知力と機敏な行動力が融合した「知的機動力」が求められている。このコンセプトはアメリカ海兵隊の研究から着想を得ている。本論文では、海兵隊の歴史、組織とマネジメントを概観しながら、ここで行われている組織的知識創造のプロセスを解明し、従来の知識創造論を一歩進めた「二項動態」の理論化への方向性を提起する。

[技術経営のリーダーたち]
[第30回]アナログとデジタル、感性とインテリジェンスを同時に追求する
川瀬 忍 (ヤマハ株式会社 常務執行役 楽器・音響生産本部長)

[経営を読み解くキーワード]
創造性
永山 晋 (法政大学経営学部専任講師)

[連載]フィンテック革命とイノベーション
[第1回]AI革命で進化するフィンテック
野間 幹晴/藤田 勉
(一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授/一橋大学大学院国際企業戦略研究科客員教授)

[連載]ビジネスモデルを創造する発想法
[第5回]美しい「経験価値」を生み出す
井上 達彦(早稲田大学商学学術院教授)


[連載]クリエイティビティの経営学
[第4回]クリエイティビティを育む職場風土とは
稲水 伸行(東京大学大学院経済学研究科准教授)


[ビジネス・ケース]
アイロボット――ロボット掃除機「ルンバ」の革新技術
間野 茂/延岡 健太郎 
(一橋大学イノベーションマネジメント・政策プログラム/一橋大学イノベーション研究センター長・教授)
アイロボットは1990年、マサチューセッツ工科大学の3人によって設立された、ロボット技術やAI技術の商品化における世界のパイオニアである。同社は革新的なロボット技術を開発し、当初は軍事用に使われていた技術を応用して、2002年にロボット掃除機「ルンバ」を発売する。これにより同社はロボット掃除機という新しいカテゴリーを創出し、現在でも、世界で60%以上のシェアを誇っている。これは縮小しつつある生活家電のなかでは稀有な成功事例である。本ケースでは、アイロボットの創業からのソフトウェアとハードウェア両面の技術開発とマーケティングのストーリーを競合企業の動きと対比しながらたどることで、成功の源泉を探るものである。これは革新的な技術を持ちながら、国際競争力を発揮できない日本の製造業に多くの示唆を与えるだろう。

カルビー――経営改革のための働き方改革
浅井 俊克/木村 めぐみ 
(一橋大学イノベーションマネジメント・政策プログラム修了生/一橋大学イノベーション研究センター特任講師)
1949年設立のカルビーは、スナック菓子業界のトップメーカーである。同社は2010年に入り、食品産業のグローバルスタンダードとなるべく、継続的成長と高収益体質の実現をめざして経営改革を開始し、成果を上げてきている。この立役者が外部から招聘された会長の松本晃である。そこで着手されたのが、コスト削減とイノベーション、組織設計であり、その源泉となる働き方の改革である。長く「温かくて甘い会社」であったカルビーが、どのように「厳しくて温かい会社」に進化していくのか。本ケースは、同社の経営改革の全貌をたどるものである。とりわけ、女性活躍やダイバーシティの推進でも世間から注目されている、成果を出すための仕組みづくりや環境づくりを中心に描いている。

[マネジメント・フォーラム]
インタビュアー/米倉 誠一郎
「医療費を適正化する」ビジネスでプラットフォーマーをめざす
谷田 千里 (株式会社タニタ 代表取締役社長)

[私のこの一冊]
■キリギリスにならないための投資術――バートン・マルキール『ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第11版)』
 玉田 俊平太 (関西学院大学大学院経営戦略研究科教授)

■ライク・ア・ローリング・ストーン――くるり・宇野維正『くるりのこと』
 原 泰史(政策研究大学院大学科学技術イノベーション政策研究センター専門職)


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2017年8月31日木曜日

【イノベーションフォーラム】2017.12.6 Ravi Madhavan

イノベーションフォーラムのお知らせ 2017年12月6日

論題:
"The Evolution of Systems Integration Capability in China: Case Studies in Nuclear Power and Commercial Aircraft"

講演者 :
Ravi Madhavan
(Professor, The Joseph M. Katz Graduate School of Business, University of Pittsburgh)

言語:英語

日時:
2017年12月6日(水) 12:40~14:10

開催場所:
一橋大学イノベーション研究センター2階・センター長室 

幹事:
清水 洋(イノベーション研究センター)

2017年8月22日火曜日

研究者プロフィール 和泉 章

和泉 章 (イズミ アキラ) 教授
産業技術政策
1963年生

E-mail: izumi☆iir.hit-u.ac.jp (☆を@に変えてください)
Phone: 042-580-8437
Fax: 042-580-8410

【履歴】  
1987年  東京工業大学工学部電子物理工学科卒業
1989年  東京工業大学大学院理工学研究科電子物理工学専攻修士課程修了
1989年  通商産業省入省
1999年  米国タフツ大学フレッチャースクール法律外交修士課程修了
2003年  ドイツ証券会社東京支店株式調査部(~2005年)
2004年  東北大学大学院工学研究科技術社会システム専攻博士課程修了
                     (博士(工学)取得)
2010年  独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
                 新エネルギー部長(~2012年)、
                 電子・材料・ナノテクノロジー部長(~2013年)
2013年  経済産業省産業技術環境局認証課長 兼 管理システム標準化推進室長
2014年  経済産業省産業技術環境局国際電気標準課長
2015年  独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)企画管理部長
2017年~ 一橋大学イノベーション研究センター教授


【最近取り組んでいるテーマ】
技術開発マネジメント
標準化と認証(適合性評価)
技術と安全


【論文一覧】   リンクはこちら 

2017年8月10日木曜日

IIRサマースクール2017-プログラム



■開催日程:2017年8月23日(水)~24日(木)

■場所:一橋大学 佐野書院(東京都国立市中2-17-35)

プログラム(2017/8/10現在) PDFはこちらからダウンロードできます
   
August 23        Language: English
•Kick Off: 9:15-9:25: Nobeoka

Morning Session: (Chair: Nakajima)
•9:25-10:15: Igami“Mergers, Innovation, and Entry-Exit Dynamics: Consolidation of the Hard Disk Drive Industry, 1996-2016” (with Kosuke Uetake)

•Short Break: 10:15-10:30

•10:30-11:10: Higuchi “Rethinking Functions of Organizational Hierarchies: From a Case Study of Flat Organization”

•11:10-12:00: Climaco“Implications of Intellectual Capital for Innovation Success and Failure in the Biotechnology Industry”

Lunch: 12:00-13:00

Guest Speaker: (Chair: Aoshima)
•13:00-14:00: Guest Speaker, Nonaka “Cultivating Knowledge Maneuverability”

Afternoon Session 1: (Chair: Karube)
•14:10-15:00: Bharadwaj “Myths versus Reality of SEP Licensing: Perspectives from India“
•15:00-15:50: Edman “The Impact of a Foreign Identity on Host Country Product Market Entry”

•Coffee Break: 15:50-16:15

Afternoon Session 2: (Chair: Malen)
•16:15-17:05: Haxhi “The Interplay of CPA, CSR & CG on CFP: A Configurational Approach”
•17:05-17:55: Nirei “Creative Destruction in Organizational Capital: The Case of Sharing Economy in Japan and the U.S.” (with Li and Yamana)
•Party:18:00-19:30


8月24日Language: English and Japanese

Morning Session 1:(Chair: Kang)
•9:00-9:50: Wan “Sanctuary Cities?” (with Kaz Miyagawa)
•9:50-10:40: Kimura “Art and Humanities for Innovation? Creative Britain & Digital Britain for another Age of Englishtenment  and the Lunar Society”

午前セッション2:(司会:谷口)
•10:50-11:30: 井口「経営者の宗教的価値観と企業の環境行動」
                      (CEO's Religious Beliefs and SMEs' Enviromental Behaviors)
•11:30-12:20: 佐々木「Myriad事件最高裁判決が遺伝子の特許権の価値に及ぼした影響の一考察」

•ランチ:12:20-13:20

午後セッション1:(司会:江藤)
•13:20-14:00:浅井「組織マネジメントのパラダイムシフトーカルビー株式会社における経営革新の事例研究ー」
•14:00-14:40:中見「日本の価値共創型小売企業におけるイノベーションプロセスに関する分析枠組みに関する一考察」
•14:40-15:30:五十川「民間部門のイノベーション活動における相互依存関係と波及効果」

•コーヒーブレーク: 15:30-15:55

午後セッション2: (司会:キム)
•15:55-16:20:門脇「特許市場における多重独占効果の推定ー3Dプリンター市場を例に」
•16:20-16:45:網中「学術研究に特化したクラウドファンディングにおけるリワードの効果に関する分析」
•16:45-17:10:寺本「トップマネジメントチームにおける階層数の推移」
•17:10-17:35:水野「新規参入を契機とする既存企業間の競争関係の変動-眼鏡小売業界を事例としてー」

閉会:17:35-17:55延岡

軽部教授が「夢ナビライブ2017」で、高校生・受験生を対象に講義を行いました。

7月22日に、軽部教授が「夢ナビライブ2017」の東京会場で、高校生・受験生を対象に講義ライブを行いました。
テーマは「強い会社と弱い会社:違いはどこにあるか」で、企業の競争力に焦点を当て、身近な事例を用いながら、強い会社と弱い会社の違いをかみ砕いて講義しました。



2017年8月7日月曜日

【お知らせ】夏季休業のお知らせ

夏季一斉休業について(お知らせ)
下記のとおり一橋大学では一斉休業を実施することとなりました。

この期間は通常業務を行いませんので、ご理解とご協力のほど、よろしくお
願いいたします。

実施期間 平成29年8月14日(月)~ 平成29年8月16日(水)

2017年8月2日水曜日

【お知らせ】客員准教授が着任いたしました


以下の教員が新たに着任いたしました。

Ashish BHARADWAJ(アシシュ バラドワジ) 客員准教授
(2017.7.31-2017.11.30)

 詳細はこちら

2017年8月1日火曜日

【お知らせ】新任教員が着任いたしました

以下の教員が新たに着任いたしました。
2017年7月15日付
  和泉 章 教授
     専門:産業技術政策    
         プロフィールはこちら

2017年7月24日月曜日

米倉特任教授の『イノベーターたちの日本史』の書評が日本経済新聞等に掲載されました


米倉特任教授の『イノベーターたちの日本史』の書評が
日本経済新聞などに掲載されました。

☆『日本経済新聞』 2017年7月22日 朝刊29面
 評:寺西 重郎氏(一橋大学名誉教授)
  

☆『読売新聞』2017年6月4日 朝刊12面
 評:柳川 範之氏(東京大学教授)


「イノベーターたちの日本史」の紹介はこちら


また、以下の新聞・週刊誌等にも書評が掲載されました。

☆『日本経済新聞』 2017年6月8日(夕刊)14面
 目利きが選ぶ3冊  中沢孝夫氏(福山大学教授)
 

☆『週刊東洋経済』2017年6月17日号


☆『週刊現代』 2017年6月10日号 116-117頁
 著者インタビュー


☆『週刊ダイヤモンド』2017年6月17日号 104頁
目利きのお気に入り
宮野源太郎氏(丸善・ジュンク堂書店)


☆『産経新聞』 2017年6月18日 8面
 ビジネスパーソンの必読書  情報工場「SERENDIP」編集部

☆HP「Sankei Biz」 2017年7月1日
【著者は語る】米倉誠一郎氏「イノベーターたちの日本史」

☆『週刊エコノミスト』 2017年8月15・22日合併号(P60-61)
 評:楠木 建氏(一橋大学大学院教授)
   「身分の有償撤廃」で近代化―明治日本人の創造的対応




2017年7月10日月曜日

【お知らせ】Miami Todayに掲載されました



 
 軽部大教授が下記の米国訪問の際に受けた取材の記事が、“Visiting Japanese Fulbright alumni talk of common issues”として、59日付のMiami Today(マイアミ・トゥデイ紙)に掲載されました。

http://www.miamitodaynews.com/2017/05/09/visiting-japanese-fulbright-alumni-talk-common-issues/

 政府の“Walk in U.S., Talk on Japan”(「歩こうアメリカ、語ろうニッポン」)プログラムは、日本の魅力や元気な今の日本の姿を民間交流によってアメリカ全土に広める目的で、2014年にスタートしました。20173月、同プログラムの一環として、ブルブライト客員研究員(フルブライト奨学金の給付を受け、米国の大学に滞在して研究を行う)の経歴をもつ4名の研究者が、テキサス州およびフロリダ州を訪問し、講演等を行いました。

2017年6月30日金曜日

【おしらせ】メンテナンスに伴うサーバーの一時停止について


2017年7月6日 13:00現在 正常に作動しています。
ご協力ありがとうございました。

IIRのHPを運用しているサーバーがメインテナンスに伴い
下記の日程にて一時停止することがございます。

そのため当HPへアクセス出来ないことがあります。
ご不便をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

期日:2017年07月06日(木) 10:00-15:00
(停止時間等は、いまのところ不明確です)

*ブログURLへの直接アクセスは可能です。

2017年6月21日水曜日

【お知らせ】清水洋教授が第33回「組織学会高宮賞(著書部門)」を受賞



清水洋教授が、第33回「組織学会高宮賞(著書部門)」を受賞しました。

受賞の著書は『ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション』(有斐閣/2016年3月刊行)です。2016年11月の第59回「日経・経済図書文化賞」に続いての受賞となりました。

「組織学会高宮賞」は、若手研究者による組織科学研究を奨励するために、1985年に創設されました。第33回組織学会高宮賞は、2015年9月1日から2016年8月末日の間に刊行された組織学会会員の著作の中から、組織科学研究の奨励に資するものとして『ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション』が選定されました。 

「組織学会高宮賞」のHPはこちらです。
「第33回 組織学会高宮賞受賞者決定のお知らせ」




2017年12月 追記
2017年度組織学会高宮賞 受賞者挨拶(抜粋)

このたびは高宮賞を賜りましたことを、本当に感謝しております。『ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション:半導体レーザーの技術進化の日米比較』は、私の博士論文やそこから派生した研究をもう一度まとめ直したものです。この研究は、2003年頃からスタートしたものです。長い時間がかかった研究です。そこでは大変に多くの方々のお世話になりました。お世話になった方々は本当に多いため、皆様のお名前を出すことはできませんが、その中でも一橋大学では米倉誠一郎先生に大変お世話になりました。先生の強力な後押しとその後のサポートがなければ、私は留学もしていなかったでしょうし、このような博士論文も書き上げることはできなかったと思います。本当に感謝しています。多くの科学者やエンジニア、企業家の方々に聞き取り調査に協力していただきました。そこでは、世界のトップと一日を争うプライオリティ競争とそれにより「世界が変わる」という実感は、時間がたっても色褪せることなく、お話を聞いているこちらまで興奮するものでした。 



2017年6月14日水曜日

【お知らせ】第12回一橋ビジネスレビュー・スタディセッション


ノーベル賞と基礎研究

第12回となる本誌の読者向け勉強会「一橋ビジネスレビュー・スタディセッション」では、本誌2017年夏号の特集「ノーベル賞と基礎研究」の総括として、「マネジメント・フォーラム」に登場された野依良治氏(ノーベル化学賞受賞、前・理化学研究所理事長)と、特集論文の執筆陣をお招きし、これからの日本の科学技術によるイノベーション力再生への課題を考えていきます。


開催日時:
2017年 7月 13日(木)18:30~20:30(受付開始18:00~)
*有料のイベントです。

会場:
一橋大学 一橋講堂 中会議場
東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター2階

※東京メトロ半蔵門線、都営三田線、都営新宿線「神保町駅」A8・A9出口…徒歩4分
※東京メトロ東西線「竹橋駅」1b出口…徒歩4分
(場所:http://www.hit-u.ac.jp/hall/file/menu-016/file_01.pdf


お申込みに関する注意事項:
※般および学生の方にはお申込後、『一橋ビジネスレビュー』2017年夏号をお送りいたします。
※会場には必ず『一橋ビジネスレビュー』2017年夏号を持参してください。

※参加定員
100名

18:00~    受付・開場

18:30~18:35 オープニング(5分間)

18:35~19:05 基調講演(30分間)
  「『科学技術は国家なり』~日本の国力の再生に向けて」
   野依 良治 氏(科学技術振興機構 研究開発戦略センター長)

19:05~19:25 特別対談(20分間)
   野依 良治 氏(科学技術振興機構 研究開発戦略センター長)
   米倉 誠一郎 (一橋ビジネスレビュー 編集委員長
            一橋大学 イノベーション研究センター 特任教授)
19:25~20:30 ディスカッション(65分間) 
    「イノベーションに科学技術は貢献しうるか?」
【モデレーター】
      赤池 伸一 氏 (文部科学省 科学技術・学術政策研究所
                           科学技術予測センター長)
【パネリスト】
   小泉 周 氏 (自然科学研究機構 研究力強化推進本部 特任教授)
   調 麻佐志 氏 (東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 教授)
   原 泰史 氏(政策研究大学院大学
           科学技術イノベーション政策研究センター 専門職)   
   牧 兼充 氏 (政策研究大学院大学 助教授)

  
その他詳細は下記のサイトをご覧ください。

▼プログラム詳細
http://www.b-forum.net/event/jp772jgac/detail.html


お問い合わせ先:
ビジネス・フォーラム事務局(本スタディ・セッション企画運営担当) 03-3518-6531

2017年6月13日火曜日

【一橋ビジネスレビュー】 2017年度 Vol.65-No.1

2017年度<VOL.65 NO.1> 特集:ノーベル賞と基礎研究―イノベーションの科学的源泉に迫る







12・3・6・9月(年4回)刊編集
一橋大学イノベーション研究センター
発行 東洋経済新報社



特集:
2016年、大隅良典氏がノーベル賞生理学・医学賞を受賞した。日本出身のノーベル賞受賞者は3年連続で誕生し、日本の科学水準に対する称賛の声が上がっている。その一方、ノーベル賞は20~30年前の研究成果を今になって評価しているにすぎず、今日の大学・研究機関・企業を取り巻く状況から将来の科学技術の先行きを憂う声もある。「世の中の役に立たない」とも言われながら、科学に対するファンダメンタルな問いを明らかにしようとする基礎研究はなぜ必要なのか。ノーベル賞受賞者の分析やインタビュー、政策的背景、基礎研究の状況やその効果に関する解析から、ノーベル賞を切り口に基礎研究の意義を多面的に明らかにする。

特集論文Ⅰ 日本の政策的な文脈から見るノーベル賞
赤池 伸一/原 泰史
(文部科学省科学技術・学術政策研究所科学技術予測センター長/
政策研究大学院大学科学技術イノベーション政策研究センター専門職)
2001年、政府は国の科学技術イノベーション政策の指針たる科学技術基本計画に「ノーベル賞受賞者を50年で30人生み出す」とする目標を示した。このことは、国内外に賛否両論をもたらした。なぜ、日本の政策担当者たちはこのような「数値目標」を設定したのか。本論文では、当時の政府関係者、ノーベル賞関係者に対するヒアリング調査に基づき、日本の科学技術イノベーション政策にノーベル賞が果たしてきた役割について示す。また、ノーベル賞の授賞選考過程と運営体制、ノーベル賞受賞者の出身国の推移、日本人ノーベル賞受賞者のキャリアに関する分析などから、政策的課題を考察する。

特集論文Ⅱ ノーベル賞受賞者の特性分析から見える革新的研究の特徴
原 泰史/壁谷 如洋/小泉 周
 (政策研究大学院大学科学技術イノベーション政策研究センター専門職/
自然科学研究機構事務局/自然科学研究機構 研究力強化推進本部 特任教授)
ノーベル賞が意味するのは科学者の力か、あるいは国家の科学技術の優越性か。本論文では、基礎研究を評価し、その社会的な影響を把握するための手段としてのノーベル賞に着目する。なぜ近年、日本出身のノーベル賞受賞者は増加したのか。彼らにはどのような共通点があるのか。受賞者の増加には、どのような背景があるのか。これらの疑問に対し、ノーベル賞が授与された研究成果および、研究成果を生み出した科学者、特に、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典教授の業績について精査することで、優れた科学的発見がどのようにして生み出され、どのように波及したのかを明らかにする。

特集論文Ⅲ スター・サイエンティストが拓く日本のイノベーション
齋藤 裕美/牧 兼充
(千葉大学大学院社会科学研究院准教授/政策研究大学院大学助教授)
本論文では、基礎研究の担い手であるサイエンティスト、特に「スター・サイエンティスト」に着目し、学術論文の生産のみならず、彼らが産業界で果たす役割やインパクトについて、先行研究を通じて考察する。特に、スター・サイエンティストと企業が何らかの形でかかわると、それぞれ研究業績および企業業績が上がるという「サイエンスと商業化における好循環」の関係が示唆される。また、先行研究を踏まえつつ、科学技術基本法以前の日本の産学連携についての新しい視点を提示するとともに、その背景に何があったかを日本のナショナル・イノベーション・システムの特徴を踏まえて考察する。結びに、直近の日本のスター・サイエンティストの現状について試論的な分析を行いつつ、スター・サイエンティスト研究の今後の課題について展望する。

特集論文Ⅳ 大学の研究力をどのように測るか?
小泉 周/調 麻佐志
(自然科学研究機構 研究力強化推進本部 特任教授/
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授)
世界大学ランキングのような大学の順位づけが注目されている。しかし、それぞれに異なる使命と成果が求められる大学という組織を一律に評価し序列化するという発想そのものに無理がある。本論文では、学術研究にのみ焦点を絞り、大学の特徴を、研究分野ごとに検討する手法を提案する。特に、従来の研究成果を「量」(論文数など)と「質」(被引用回数トップ1%論文割合など)の観点で見るだけでなく、「厚み」という新概念を導入して評価することを提案したい。これを大学の研究分野別に当てはめて検討することによって、大学の強みを多角的に把握することができる。この手法を用いると、これまでの大学の順位づけでは見えなかった、分野ごとに特徴を持つ大学の姿が見えてくる。

特集論文Ⅴ 基礎研究重視へと変化する韓国――科学技術イノベーション政策の現状分析
チャ・ドゥウォン(韓国科学技術企画評価院 研究委員)
従来、韓国では基礎研究が軽視されがちであった。しかし、こうした傾向は1990年代以降に変化しつつある。本論文では、韓国政府の科学技術に関する総合計画である「基礎研究振興総合計画」にも携わった筆者が、同国の基礎研究の現状、政府および民間の研究開発支援の現況等を紹介した上で、優秀な基礎研究者の養成、基礎研究投資のあり方について論じる。論文の本数や被引用回数などの「数値目標」に基づく政策の是非、研究開発における過度な「選択と集中」の反作用など、韓国の基礎研究のあり方は日本にとっても参考とすべき点が多々あるだろう。

特集論文Ⅵ 5つの「なぜ?」でわかるノーベル経済学賞
安田洋祐(大阪大学大学院経済学研究科准教授)
ノーベル経済学賞は他の分野とかなり毛色の異なるノーベル賞である。本論文では、「経済学賞って本当にノーベル賞?」「受賞者はお年寄りばかり?」「受賞者はアメリカ人ばかり?」「経済学賞は権威に弱い?」「日本人は受賞できる?」という5つの疑問に答えながら、経済学賞の特徴をさまざまな角度から紹介する。また、ノーベル賞の選定に欠かせないであろう、新規性・無謬性・有用性という3つの基準が、どのように経済学賞の特徴に影響を与えているのかを分析する。さらに、筆者の大学院時代の恩師であるエリック・マスキンをはじめ、何人かの受賞者の業績についてはやや専門的な解説を加えた。期待の高まる日本人の初受賞に関しては、具体的な候補を挙げつつ近い将来の実現を予想する。

[経営を読み解くキーワード]
パッケージ
石井 裕明 (成蹊大学経済学部准教授)

[連載]ビジネスモデルを創造する発想法
[第4回]ビジネスの「当たり前」を疑う
井上 達彦(早稲田大学商学学術院教授)

連載]クリエイティビティの経営学
[第3回]クリエイティブ人材のマネジメントと落とし穴
稲水 伸行(東京大学大学院経済学研究科准教授)

[ビジネス・ケース]
こころみ学園/ココ・ファーム・ワイナリー――人が「働くこと」の意味を問い直す─知的障害者支援施設の挑戦
露木 恵美子/前田 雅晴 
(中央大学大学院戦略経営研究科教授/中央大学大学院戦略経営研究科修了生)
こころみ学園は、1969年に川田昇と数人の有志により設立された指定障害者支援施設であり、そこでは100人あまりの知的障害者が共同生活を営む。学園のもう1つの顔は、九州・沖縄サミットで供されたこともある上質なワインを生産するココ・ファーム・ワイナリーである。学園の前には勾配38度の急傾斜地にブドウ畑が広がり、そこで園生が手塩にかけて育てたブドウはすべてワインに加工される。こころみ学園の取り組みは、障害者雇用、農福連携、六次産業化といった言葉では語り尽くせない深さを持つ。本ケースでは、こころみ学園が現在の姿に至るまでの軌跡を振り返ることで、現代において、人が「働くこと」の意味を再考する。

土湯温泉――再生可能エネルギーを活用した地域復興
青島 矢一/山﨑 邦利 
(一橋大学イノベーション研究センター教授/一橋大学大学院商学研究科博士後期課程)
「日本一の清流」として知られる荒川水系に位置する福島県福島市の土湯温泉は、2011年の東日本大震災による建物倒壊や風評被害を受け、温泉町として存続の危機に直面した。この危機に対応すべく、地元の有志たちがすぐさま結集し、再生可能エネルギーを軸とした、地域復興とまちづくりの計画を策定した。その中心にあったのが、豊富な温泉熱資源と水資源を活用し、地熱バイナリー発電と小水力発電事業を行い、固定価格買取制度を活用して得た売電収入を地域復興とまちづくりに還元するというシナリオであった。発電事業は、現在ほぼ計画どおりの収益を生んでおり、地域には若い人材や観光客が戻りつつある。再生可能エネルギーを活用した温泉町の復興としては希有な成功例といえる。本ケースでは、町全体の発展を願う人々が主体的に協力し合い、さまざまな困難を乗り越えて、計画を成功に導いてきた過程を描く。

[マネジメント・フォーラム]
インタビュアー/米倉 誠一郎・赤池伸一・原 泰史
志ある若者を魅きつける「知の共創エコシステム」の創生を
野依 良治 (科学技術振興機構 研究開発戦略センター長)


[私のこの一冊]
■研究と教育、両立の果実――内田樹『私家版・ユダヤ文化論』
 神吉 直人 (追手門学院大学経営学部准教授)

■理論に支えられた経済小説集――大薗治夫『小説集 カレンシー・レボリューション』
 大薗 恵美 (一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)

[投稿論文]
顧客との取引関係とサプライヤーの成果――日本の自動車部品産業の事例  
近能 善範(法政大学経営学部教授)

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2017年5月29日月曜日

【設立20年をむかえて】


イノベーション研究センター(イノ研, IIR)が設立されて20年。今や、「イノベーション」は市民権を得て、企業や政府の将来戦略を語る上では欠かせないキーワードとなりました。しかし20年前はイノベーションという言葉の意味さえ十分に理解されていませんでした。日本では、イノベーションを技術革新と訳すことが多く、技術系の世界の話であると思われていました。「社会科学でなぜイノベーションなのか」、「技術革新ではだめなのか」、「なぜカタカナを使うのか」等々、センターの立ち上げに際しては様々な質問を受けたことを記憶しています。

イノベーションとは、過去からの連続線上にはない革新のことを指しますが、それは技術革新に限らず、組織や制度など様々な革新を含む概念です。また、イノベーションは単なる発明ではなく、革新的アイデアを具体化し、社会に価値をもたらしてはじめて実現するもので、その過程には多くの人々や組織が関与します。

それゆえ、社会科学の大学である一橋大学にイノ研が設立されたことは必然ともいえるのですが、20年前には、それが広くは理解されず、その設立自体が、困難をともなうイノベーションであったように思います。それが今ではあらゆる局面でイノベーションの重要性が叫ばれるようになり(少々安易に叫ばれることもありますが)、われわれがその先駆的な役割の一端を担うことができたことには多少の自負とともに喜びを感じます。

イノ研自体は20周年となりますが、その前身である一橋大学産業経営研究所(産研)と東京商科大学産業能率研究所の時代を含めると、70年以上の歴史があります。産研の時代から、われわれの研究所は現実と真摯に向き合う実証的な学問を指向してきました。その1つが、80年代に野中先生を中心に行われた日本の製造企業の競争力研究でした。低賃金と安い通貨を背景に安価で高品質の製品を製造する能力に注目した従来の研究に対して、新製品やイノベーションを次々生み出す組織力に日本企業の強さの源泉を見いだした研究が世界に発信されました。それは90年代に入り知識創造理論としての発展を遂げます。また80年代には、情報技術や組織のネットワーク化の流れをいち早く捉えた今井先生の先駆的な研究も発表されました。

これらに代表されるような、現実社会の先進的な動きを捉えた研究の蓄積が、その後、イノベーションというキーワードに収斂し、イノ研の設立に至ったのだと理解しています。

今思えば、イノ研の設立は社会の要求に対する自然な回答であり、日本においては一定の役割を果たしてきたとは思います。しかし、この20年間の日本経済の低迷ぶりを真摯に受け止めるならば、われわれの貢献が必ずしも十分ではなかったことは認めざるをえません。この20年間、電子技術や情報通信技術の急発展によって社会は大きく変化しました。その変化を、実務家のみならず、われわれ研究者も十分に捉えきれなかったのかもしれません。

その反省はもちろん必要ですが、立ち止まっている暇はありません。目の前で進みつつある次世代イノベーションの本質を理解し、それを前進させるための方策を探求することに、着手しなければなりません。そのためには、研究にも新たな視点からのアプローチが必要になるでしょう。専任教員の中で20年前の設立メンバーは私一人になりました。イノ研は若い研究者を中心とした新しい体制に移行し、イノベーティブな研究を生み出す好環境が生まれつつあります。

20年前にイノ研の設立という形で結実したイノベーションを引き継ぎ、次の20年に向けた新たな研究イノベーションを実現することが、今のわれわれの使命だと考えています。

期待してください。

2017年5月28日
一橋大学イノベーション研究センター
青島矢一

【イノベーションフォーラム】2017.6.8 余江

イノベーションフォーラムのお知らせ 2017年6月8日

論題: 
"China's Information Infrastructure and Innovation Efforts under the Globalization"

講演者: 
余江(中国科学院, 教授)

日時:
2017年6月8日(木) 14:10~14:50

開催場所:
一橋大学第二研究館 6階601室

幹事:
カン ビョンウ(イノベーション研究センター)

2017年5月19日金曜日

【イノベーションフォーラム】2017.7.26加藤雅俊

イノベーションフォーラムのお知らせ 2017年7月26日

論題: 
"Family Employees and Innovation Behavior of Start-ups: A Family Embeddedness Perspective of Entrepreneurship (with Haibo Zhou)"

講演者: 
加藤雅俊 (関西学院大学経済学部, 准教授)

日時:
2017年7月26日(水) 12:15~13:40
 (昼食持ち込み可)

開催場所:
一橋大学第二研究館 6階601室

幹事:
清水 洋(イノベーション研究センター)

2017年5月11日木曜日

フォーラム 2017年度

これまでのフォーラム一覧 2017年度

イノベーション研究に関する研究会を、他大学の研究者、企業人、官界人らを交えて、月1回のペースで行なっています。

2018.2.14
Tuukka Toivonen
(PhD. Senior Lecturer at the Institute for Global Prosperity (IGP), University College London)
”From Creative 'Clashes' and 'Sparks' to Jolts: An empirical investigation of the idea journeys and feedback interactions of early-stage digital entrepreneurs in London”

2018.1.31
Lee, Sang-Gun
(Professor, Sogang University Business School)
”A Comparative Study of Linkage of Effects of ICT Industries and Machinery and Equipment Industries among the Korea, the United States, Germany and Japan”

2018.1.24
Cornelia Lawson
(Prize Fellow, University of Bath)
"Citizens of Somewhere: Examining the Geography of Foreign and Native-born Academics’ Engagement with External Actors"

2017.12.27
清水たくみ
(Ph.D Candidate, Desautels Faculty of Management, McGill University)
"Coordinating collective framing processes with heterogeneous
 actors in technology standard development: A Topic Modeling Approach"

2017.12.6
Ravi Madhavan
(Professor, The Joseph M. Katz Graduate School of Business, University of Pittsburgh)
”The Evolution of Systems Integration Capability in China: Case Studies in Nuclear Power and Commercial Aircraft”

2017.10.25
Evan W. Lauteria
(PhD Student, University of California Davis)
"The Cultural Foundations of Institutional Divergence: A Study of Nintendo and SEGA’s ‘Console Wars'"

2017.7.26
加藤雅俊 (関西学院大学経済学部, 准教授)
"Family Employees and Innovation Behavior of Start-ups: A Family Embeddedness Perspective of Entrepreneurship (with Haibo Zhou)"

2017.6.8
余江(中国科学院, 教授)
"China's Information Infrastructure and Innovation Efforts under the Globalization"

2017.5.31
Jean-Baptiste Marc Litrico
(Associate Professor, Smith School of Business, Queen's University/
Visiting Associate Professor, IIR, Hitotsubashi University)
"Industry Ethos and Corporate Response to Institutional Pressures: Naturalizing Sustainability in Aviation"



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【イノベーションフォーラム】2017.5.31 Jean-Baptiste Marc Litrico

イノベーションフォーラムのお知らせ 2017年5月31日

論題: 
"Industry Ethos and Corporate Response to Institutional Pressures: Naturalizing Sustainability in Aviation(仮)"

講演者 :
Jean-Baptiste Marc Litrico
(Associate Professor, Smith School of Business, Queen's University/
Visiting Associate Professor, IIR, Hitotsubashi University)

言語:英語

日時:
2017年5月31日(水) 12:40~14:30

開催場所:
一橋大学第二研究館 6階601室

幹事:
軽部 大(イノベーション研究センター)

2017年5月9日火曜日

【おしらせ】IIRサマースクール2017

一橋大学イノベーション研究センターでは、8月23日・24日の二日間にわたり、IIRサマースクール2017を開催いたします。
当サマースクールは盛会のうちに終了しました。
御参加下さいました皆様、ありがとうございました。

2017年のプログラムは下記の通りです。
(IIRサマースクール2017-プログラム
 http://hitotsubashiiir.blogspot.jp/2017/08/iir2017.html

イノベーションが大きな注目を集めるいま、国内外で研究の裾野は大きく広がっています。IIRサマースクールは、研究者のネットワーキングと最新の研究発表の場、若手研究者へのサポートを通じて、イノベーション研究をさらに促進することを目的としています。

■日時:2017年8月23日(水)・24日(木)

■場所:一橋大学佐野書院(東京都国立市中2-17-35)

■参加対象者:大学院でイノベーション研究を考えている学部生(3・4年生)・大学院生(修士・博士)・アーリーキャリアの研究者・シニアの研究者(ただしYoung at Heart!)

以下の通り、募集いたします。ご応募をお待ちしております。

1)イノベーションに関する理論あるいは実証研究の発表者
締切日:2017年7月5日(水)

応募方法:
A4で2枚程度に、(1)ご氏名、(2)ご所属、(3)職位または学年、(4)発表タイトル、(5)概要、(6)日本語セッションと英語セッションのいずれを希望されるかをまとめていただき、Eメールにて下記宛てにご提出ください。

送り先:一橋大学イノベーション研究センター研究支援室
(担当:小貫 onuki★iir.hit-u.ac.jp、★を@に変えて送信して下さい)

※審査結果は、7月12日までにお知らせいたします。
※研究発表をされる方には宿泊費と交通費を支給します(ただし、自宅から通える場合を除く)。
※優れた研究発表には『一橋ビジネスレビュー』での発表にむけてエディターがコミットします。

2)オーディエンスとしての参加

参加受付けを締め切りました。






IIRサマースクール2017 オーディエンス申込み

オーディエンスのお申し込みはこちらのフォームからお願いいたします。

現在の研究テーマの日本語・英語でのご記入が必須となっております。
ご準備の上、ご記入ください。

携帯等はこちらから入力下さい

*(一橋大学の夏季休業期間は8月11日~16日となっております。
この期間はお申込み受付のメールがお送りできませんのでご了承ください)


2017年5月1日月曜日

研究者プロフィール 谷口 諒

谷口 諒(タニグチ リョウ) 特任助教
専門:組織論
生まれ年:1989年
E-mail:taniguchi☆iir.hit-u.ac.jp (☆を@に変えてください)
Phone:042-580-8434
Fax: 042-580-8410

【履歴】
2012年 一橋大学商学部卒業
2014年 一橋大学大学院商学研究科修士課程修了 修士(商学)
2017年 一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了 博士(商学)
2017年~ 一橋大学イノベーション研究センター 特任助教

【受賞】
2018年 論文『シンボルを用いた資源獲得の成功による資源配分の失敗:「バイオマス・ニッポン総合戦略」の事例』により、第34回「組織学会高宮賞(論文部門)」を受賞

【最近取り組んでいるテーマ】
組織横断型プロジェクトの成立と暴走
技術ブームの誕生と終焉



【論文一覧】   リンクはこちら